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源氏物語 虚構の婚姻

書名かな げんじものがたりきょこうのこんいん
著者(編者)名 青島麻子 著
著者(編者)名かな あおしまあさこ
ISBNコード 978-4-8386-0282-7
本体価格 11,500円
税込価格 12,650円
判型 A5判上製カバー装
頁数 368頁
刊行日 2015年3月27日
在庫 品切れ中
第17回 2015年度 紫式部学術賞 授賞

 平安朝の文学作品に関する「婚姻」の問題は、今までも様々な観点から解明しようとされてきたが、今なおその議論は紛糾している。
 本書では、「文学作品を婚姻研究の史料とすべきではない」という考えのもと、歴史的実態を押さえつつもそこから一端切り離し、『源氏物語』の表現や文脈に即して、物語における婚姻の描かれ方を探っていく。
 そしてそれを手がかりに、その独自性や虚構の方法を考察し、新たな婚姻研究の方法を模索した。
   目  次
   凡 例
序論 平安朝の婚姻慣習
    ─「妻」を表す用語から─
   一、婚姻慣習の議論をめぐって 
   二、「妻」「妾」の語の使用法
   三、「妻」「妾」の語の和名
   四、妻を表す用語の定義
 第一部 婚姻研究史からの展望
  第一章 婚姻居住形態と出自制
   一、居住形態を表す用語の定義
   二、高群逸枝の母系制説とその修正
   三、双系制の提唱と現在の水準
   四、平安時代の居住形態の実態
  第二章 一夫多妻の内実
   一、夫婦構成を表す用語の定義
   二、一夫多妻制における正妻事後決定説
   三、一夫多妻制における正妻事前決定説
   四、一夫一妻制説
   五、道長に見る正妻の条件
  第三章 紫の上の妻の座
   一、紫の上の妻の座をめぐる立場
   二、結婚経緯と社会的認知
   三、呼称
   四、居住場所
   五、紫の上の境界性
   六、婚姻開始時の紫の上
   七、若菜巻での遡及
   八、婚姻制度の議論を超えて
 第二部 婚姻居住形態から見る物語の論理
  第一章 平安朝物語の婚姻居住形態
       ─『源氏物語』の「据ゑ」をめぐって─
      一、婚姻居住形態をめぐる議論 
      二、「据ゑ」の形式 
      三、結婚経緯の描かれ方の差異 
      四、同居の後を見つめる源氏物語 
  第二章 「対」の女君
          ─多妻の視座と「対の上」をめぐって─
      一、「対」居住と妻の座 
      二、女房的な「対」の女性 
      三、うつほ物語の宰相の上 
      四、源氏物語の「対」 
      五、結び 
  付論 『源氏物語』東西の対
第三部 一夫多妻制から見る物語の論理
  第一章 宿木巻の婚姻と「ただ人」
       ─身分の捉え直しをめぐって─
   一、ただ人は一夫一妻か
   二、東宮候補の皇子
   三、匂宮の据え直しと中の君物語
   四、女二の宮の降嫁と「ただ人」薫
   五、結び
  第二章 女二の宮「降嫁」
       ─今上帝の「婿取り」をめぐって─
   一、「降嫁」をめぐる問題
   二、在位中の帝による降嫁
   三、今上帝の婿取り
   四、降嫁をめぐる薫のあり方
   五、結び
  第三章 蛍宮と真木柱の婚姻
       ─婿選びに際する発言をめぐって─
   一、式部卿宮の言
   二、代替わり記事
   三、光源氏の身分の捉え返し
   四、親王の価値の捉え返し
   五、身分と愛情の問い
  第四章 「添臥」葵の上
       ─初妻重視の思考をめぐって─
   一、問題の所在
   二、添臥の定義
   三、光源氏の「添臥」
   四、物語における初妻重視
   五、結び
第四部 婚姻用語・慣習から見る物語の論理
  第一章 髭黒召人の前景化
       ─真木柱巻の方法をめぐって─
   一、平安朝における「召人」の用例
   二、源氏物語正編の召人
   三、真木柱巻の多角的視点と髭黒の召人
   四、第二部への萌芽
  第二章 平安時代の結婚忌月
       ─東屋巻の「九月」をめぐって─
   一、問題の所在
   二、平安朝における結婚忌月
   三、東屋巻の「九月」
   四、結び
   五、付表
  第三章 平安朝物語における近親婚
   一、近親婚をめぐる議論
   二、兄妹婚と平安朝物語
   三、オジ・オバ婚とうつほ物語
   四、イトコ婚と源氏物語
   五、結び
  結論 婚姻研究から見た平安朝文学史の再構築
   一、前期物語と一夫多妻
   二、『源氏物語』成立期の時代状況
   三、源氏物語と「後見」
   四、源氏物語における婚姻研究の意義
  あとがき
  初出一覧
  索 引

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