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物語絵歌仙絵を読む

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物語絵・歌仙絵を読む

附『歌仙絵抄』『三十六歌仙歌合画帖』
書名かな ものがたりえかせんえをよむ ふ『かせんえしょう』『さんじゅうろっかせんうたあわせがちょう』
著者(編者)名 久下裕利 著
著者(編者)名かな くげひろとし
ISBNコード 978-4-8386-0277-3
本体価格 12,000円
税込価格 13,200円
判型 A5判上製カバー装
頁数 324頁
刊行日 2014年10月6日
在庫 品切れ中
 平安朝貴人が常に携帯する扇や、日常生活に密接に関わる室内調度品である几帳など、画面に描かれるアイテムで物語絵・歌仙絵を読み解く。
 物語絵や歌仙絵は単に〈見る〉だけではなく〈読む〉という行為で意識的に対峙しない限り、図像は我々になにも語りかけて来はしない。
 たとえば、源氏物語本文や絵巻詞書中に〝扇〟の存在が確認されないにもかかわらず、主人公格の画中人物が〝扇〟を手にしている場合は、その画中での意図を考える必要が生じる。
 このように「絵」の鑑賞にさまざまな角度から「読む」という行為を意識的に取り入れ、図様に於けるさまざまな問題点を読み解く。
 資料として著者架蔵で初公開の貴重書『歌仙絵抄』の図像と翻刻・『三十六歌仙歌合画帖』をそれぞれオールカラーで公開する。

   Ⅰ 物語絵を読む

一 国宝『源氏物語絵巻』を読む―御法図について

  はじめに―扇の絵
 1国宝『絵巻』中の扇
 2〈御法〉図の詞書
二 国宝『源氏物語絵巻』を読む―うち置かれた扇
  はじめに
 1〈東屋〉第二図の扇
 2〈御法〉図の扇
 3〈宿木〉第二図と第三図の扇
 4〈橋姫〉図の扇
三 国宝『源氏物語絵巻』を読む―〈橋姫〉図再説
  はじめに
 1構造としての図像解釈
 2〈橋姫〉詞書本文と対照
 3椎本巻のかいま見
 4詞書と画面図様との齟齬
 5〈竹河〉第二図
四 国宝『源氏物語絵巻』早蕨グループについて
  はじめに
 1〈宿木〉図の位相
 2〈早蕨〉グループの主題
 3〈早蕨〉グループの構成
五 几帳の陰の姫君
   ―源氏絵から歌仙絵へ
  はじめに
 1『源氏物語』の几帳
 2源氏絵の几帳
  (1)光吉画帖の末摘花図
  (2)光則画帖と光信画帖
 3歌仙絵の几帳

   Ⅱ歌仙絵を読む

一 絵画の中の泣くしぐさ考
   ――佐竹本『三十六歌仙絵』と国宝『源氏物語絵巻』を中心に
――
  はじめに
  1佐竹本『三十六歌仙絵』〈斎宮女御徽子〉図
  2国宝『源氏物語絵巻』〈柏木〉第一図
二 『異本伊勢物語絵巻』を読む
   ―住吉明神現形の意図とその絵姿
――
  はじめに
 1『伊勢物語』百十七段と『異本絵巻』詞書
 2『伊勢物語』百十七段と注釈史
 3住吉明神の多面性
 4住吉明神の姿かたちとその像容
三 歌仙絵〈在原業平〉〈紀貫之〉像の変容
   ―佐竹本『三十六歌仙絵』の継承と変容
――
  はじめに
 1歌仙絵〈在原業平〉像の変容
 2歌仙絵〈紀貫之〉像の変容
四 歌仙絵〈中務〉像の借用
   ―探幽歌仙絵盗作事件
――
五 小式部内侍と定頼
   ―
『百人一首』秘話――

   Ⅲ 資料

一 『歌仙絵抄』・翻刻
   緒言
二 『三十六歌仙歌合画帖』

  あとがき


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