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[源氏物語における神祇信仰書影]

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源氏物語における神祇信仰

書名かな げんじものがたりにおけるじんぎしんこう
著者(編者)名 韓 正美 著
著者(編者)名かな はん じょんみ
ISBNコード 978-4-8386-0289-6
本体価格 12,500円
税込価格 13,750円
判型 A5判上製カバー装
頁数 424頁
刊行日 2015年10月24日
在庫 在庫あり
本書の目指すところは、具体的な物語表現が生産される過程において、神祇信仰がどのような働きを担っているのかを問い、それによって物語表現がどのような独自性を獲得し、また、どのような主題性を物語に胚胎させることになったのかを究明することである。 具体的な研究方法としては、まず、神々の伝承、平安朝における神祇信仰を概観する。これは、『源氏物語』における神祇信仰のもつ意義を正確に把握する土台となる。そして、当時の信仰の文脈に照らし合わせながら、『源氏物語』における神祇信仰を具体的に考察する。特に、神との結びつきという点からすれば、例えば六条院の構造は、春の町を紫上の〈賀茂〉、夏の町を玉鬘の〈八幡〉〈春日〉、秋の町を秋好中宮の〈伊勢〉、冬の町を明石君の〈住吉〉と捉えることができるが、こうした神々と物語の構造や方法との関わりを中心に、〈『源氏物語』における住吉信仰〉〈『源氏物語』における賀茂信仰〉〈『源氏物語』における伊勢信仰〉〈『源氏物語』における八幡・春日信仰〉の四編に分けて考察する。
 刊行に寄せて ……三 角 洋 一
凡 例
 序 先行研究及び本書の目的と方法
第一編 『源氏物語』における住吉信仰
 第一章 住吉神の伝承と平安朝の住吉信仰
  第一節 住吉神の伝承と神格
   1 住吉鎮座の経緯
    (1)「大神」「天神」・禊ぎ祓いの神
    (2)海路を守る神
   2 王権の守護神としての住吉神
   3 現人神としての住吉神
   4 住吉神と八十嶋祭
  第二節 平安朝の住吉信仰
   1 貴族の住吉詣
   2 平安中期の住吉詣の様相
 第二章 『源氏物語』における住吉信仰
  第一節 須磨・明石巻における住吉信仰
   1 源氏の須磨退居と明石一族の登場
   2 光源氏の住吉信仰
    (1)暴風雨と海竜王
    (2)源氏の住吉信仰
   3 桐壺院の霊の住吉信仰
   4 明石一族の住吉信仰
  第二節 澪標・若菜上下巻における住吉信仰
   1 澪標巻における住吉詣─政治家源氏の布石
    (1)難波の祓と住吉詣
    (2)明石姫君の誕生と宿曜の勘申
    (3)明石姫君の乳母選択
    (4)源氏の住吉詣
   2 明石姫君の入内─源氏一門の繁栄への序章
   3 明石女御の懐妊と出産─実母明石君の存在感増大
    (1)明石女御の懐妊
    (2)明石女御の出産
   4 明石入道の夢の意味
   5 若菜下巻の住吉詣─明石一族の栄達
結び

第二編 『源氏物語』における賀茂信仰
 第一章 賀茂神の伝承と平安朝の賀茂信仰
  第一節 賀茂神の伝承と神格─王城鎮護の神
  第二節 賀茂祭と賀茂斎院
   1 賀茂祭の起源と発展
   2 賀茂斎院
   3 賀茂祭の日時と御阿礼
  第三節 平安朝における賀茂信仰
   1 皇位と任官を司る神
   2 摂関家の権威を象徴する賀茂詣
 第二章 『源氏物語』における賀茂信仰
  第一節 源氏の栄華と賀茂神の役割
   1 紫上と賀茂信仰
    (1)賀茂神の降臨地北山での紫上の登場
    (2)源氏の栄華物語の発端
    (3)賀茂の御阿礼詣
   2 斎院朝顔の役割
    (1)「違ひ目」が生み出す存在としての斎院
    (2)薫物合わせでの朝顔の優位
   3 光源氏の賀茂信仰
  第二節 賀茂祭の役割
   1 六条御息所と葵上の車争い
    (1)六条御息所の生霊事件の契機
    (2)車争いの意味
    (3)物の怪と賀茂祭
    (4)源氏と紫上の新枕の序章
   2 柏木と女三の宮の密通
    (1)薫の誕生譚と賀茂神話
    (2)密通の意味
    (3)薫と浮舟の出会い
 結び
〈表〉摂関期の賀茂詣

第三編 『源氏物語』における伊勢信仰
 第一章 伊勢斎宮
  第一節 斎宮の起源
  第二節 斎宮の属性
  第三節 皇子と斎宮との出会い
   1 倭姫命の物語と大伯皇女の物語
   2 斎宮の密通と『伊勢物語』
   3 当子内親王の密通と『栄花物語』
  第四節 斎宮女御徽子と規子内親王
 第二章『源氏物語』における伊勢信仰
  第一節 斎宮の登場と伊勢下向
  第二節 源氏・朱雀院の斎宮への関心
  第三節 冷泉帝後宮としての秋好中宮
   1 前斎宮の入内─政治家源氏の布石
   2 絵合の意味─冷泉後宮第一の地位
  第四節 斎宮女御としての確固たる政治的地位
   1 斎宮女御の立后
   2 春秋争いにおける秋好中宮─紫上の地位向上への寄与
   3 裳着における役割
    (1)明石姫君の裳着における腰結役
    (2)女三の宮の裳着における役割
  第五節 源氏四十賀における役割
  第六節 『源氏物語』における斎宮と斎院
 結び

第四編 『源氏物語』における八幡・春日信仰
 第一章 八幡・春日の伝承と平安朝の信仰
  第一節 石清水・筥崎八幡宮の伝承
   1 石清水八幡宮の伝承─国家を鎮護する神
   2 筥崎八幡宮の伝承─外征を守る神
  第二節 平安朝の石清水・筥崎宮信仰
   1 兵乱平定の神─石清水臨時祭の性格
   2 皇位継承を守護する神
    (1)石清水臨時祭の恒例化
    (2)石清水放生会と皇族の石清水信仰
    (3)摂関家の石清水信仰
    (4)大宰府と筥崎宮信仰
   3 鏡の神について
  第三節 平安朝の春日・大原野信仰
   1 春日社の祭神と鎮座
   2 平安朝の春日信仰
   3 平安朝の大原野信仰
 第二章 『源氏物語』における八幡・春日信仰
  第一節 玉鬘の登場と筑紫下向
  第二節 玉鬘と松浦
  第三節 玉鬘の八幡・長谷信仰
  第四節 玉鬘の六条院入り
   1 玉鬘の居所
   2 玉鬘の六条院入りの政治的意味
  第五節 大原野行幸と春日信仰
  第六節 玉鬘の尚侍出仕
   1 玉鬘入内の方向
   2 玉鬘の裳着
   3 玉鬘の尚侍出仕─頼りにならない父親像
  第七節 源氏四十賀における玉鬘の役割
結び

結論
参考文献/初出一覧/あとがき/索引

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