研究書(語学系) 詳細
小林賢次著作集 第一巻
条件表現の史的変遷と接続詞
書名かな | こばやしけんじちょさくしゅう だいいっかん じょうけんひょうげんのしてきへんせんとせつぞくし |
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著者(編者)名 | 小林千草 編 賢草日本語研究会 監修 |
著者(編者)名かな | こばやしちぐさ へん けんそうにほんごけんきゅうかい かんしゅう |
ISBNコード | 978-4-8386-0804-1 |
本体価格 | 11,000円 |
税込価格 | 12,100円 |
判型 | A5判上製カバー装 |
頁数 | 434頁 |
刊行日 | 2025年6月25日 |
在庫 | 有り |
『小林賢次著作集』全六巻刊行 第一弾
本書は『小林賢次著作集』第一巻として、日本語における条件表現の史的変遷と、条件表現の一形態でもある接続詞に関する論文を集めたものである。
人と人との〝真心〟を大切にした小林賢次の軌跡が、学生や若い研究者たちへの道しるべとなることを願う。 ――編者 小林千草
凡例
序章 条件表現の体系とその分類
一 近代以前における条件表現の把握
二 近代における条件表現の分類・研究
二・一 山田孝雄の分類
二・二 松下大三郎の分類
二・三 阪倉篤義の分類
三 本書における分類
第Ⅰ部 条件表現の史的変遷
第一章 条件表現史概観
一 はじめに
二 「未然形+バ」の衰退と「ナラ(バ)」「タラ(バ)」
三 「已然形+バ」の変遷─恒常条件と仮定条件─
四 順接条件の接続助詞「ト」の発達
五 逆接条件表現の変遷
六 おわりに
第二章 院政時代における仮定表現
─『今昔物語集』をとおして─
一 はじめに
二 「未然形+バ」の仮定表現
二・一 条件句の表現形式
二・二 「然ラバ」と「然レバ」
二・三 帰結句の表現形式
三 恒常条件の表現
三・一 恒常条件の条件句
三・二 副詞「モシ」を伴う場合
三・三 恒常条件の帰結句
三・四 恒常条件と仮定条件とのかかわり
四 「已然形+バ」の仮定表現
五 おわりに
第三章 中世における反実仮想の条件表現
─呼応形式の推移を中心に─
一 はじめに
二 中古における反実仮想の概観
三 院政・鎌倉時代における反実仮想
三・一 A型・B型の呼応
三・二 C型の呼応
三・三 D型の呼応
三・四 E型の呼応
四 室町時代における反実仮想
四・一 室町時代の文語における「マシ」
四・二 室町時代の口語における反実仮想
五 おわりに
第四章 仮定表現形式「ナラバ」の発達をめぐって
一 はじめに
二 院政期までの「ナラバ」
二・一 モノナラバ (付)コトナラバ・ホドナラバ
二・二 活用語+ナラバ
三 鎌倉・室町時代における「ナラバ」の発達
三・一 モノナラバ (付)コトナラバ・ホドナラバ
三・二 助詞+ナラバ
三・三 活用語+ナラバ
四 おわりに
第五章 『天草本平家物語』における仮定表現
─覚一本・百二十句本との比較を中心に─
一 はじめに
二 条件句表現形式の諸相
二・一 動詞未然形+バ
二・二 形容詞~クハ
二・三 ナラバ・タラバ
二・四 ベクハ・ズハ・その他
二・五 接続詞としての用法
三 「已然形+バ」による恒常条件と仮定条件
四 おわりに
第六章 仮定表現形式「タラバ」と「タナラバ」
一 はじめに
二 抄物等の場合
三 キリシタン文献の場合
四 狂言台本の場合
五 近世における「タラ(バ)」と「タナラ(バ)」
第七章 恒常条件の表現から仮定条件の表現へ
─虎明本狂言の分析をとおして─
一 はじめに
二 虎明本における「已然形+バ」の様相
三 恒常条件の典型的なもの、
及び偶然確定条件的性格のもの
四 仮定条件への接近
四・一 帰結句に推量表現をとるもの
四・二 具体的場面における恒常条件の表現
四・三 仮定条件の性格の強いもの
五 おわりに
第八章 「ナラ」「タラ」単独形式の成立
一 はじめに
二 従来の説の概要
三 「ナラ」「タラ」の成立事情
三・一 仮定条件の「ナラ」「タラ」の場合
三・二 偶然確定条件の「タラ」の場合
第九章 順接条件の接続助詞「ト」の成立と発達
─狂言台本を中心に─
一 はじめに
二 順接条件の接続助詞「ト」の成立
三 順接条件の接続助詞「ト」の発達
三・一 近世前期の状況
三・二 虎明本と虎寛本との比較から
三・三 鷺流保教本の場合
四 おわりに
第十章 大蔵流狂言台本における逆接条件表現
─「トモ」「ドモ」から「テモ」「ガ」への推移─
一 はじめに
二 逆接仮定条件「トモ」「テモ」など
二・一 トモ・ト
二・二 テモ・イデモ・トテモ・デモ・ニテモ・
バトテ・ト…テ
二・三 (ウ)ガ
三 逆接確定条件「ドモ」「ガ」「ニ」「ヲ」など
三・一 ドモ・ド・ケレドモ
三・二 ガ・ニ・ヲ・モノヲ
三・三 コソ…已然形・ナガラ
四 逆接恒常条件「テモ」と「ドモ」
五 おわりに
第Ⅱ部 条件表現の接続詞
第十一章 狂言台本における順接仮定条件の接続詞
─「サラバ」から「ソレナラバ」へ─
一 はじめに
二 仮定条件を表す接続詞の概要
三 虎明本と虎寛本との比較
─帰結句の分布及び場面・文脈─
三・一 サラバ
三・二 サアラバ
三・三 ソレナラバ
三・四 ソノ儀ナラバ
三・五 ソレナレバ・ソノ儀ナレバ
三・六 左様ナラバ
三・七 サテハ・スレバ
四 他資料との比較から
五 おわりに
第十二章 「サテハ」と「スレバ」
─条件的接続詞としての消長─
一 はじめに
二 虎明本「サテハ」から虎寛本「スレバ」へ
三 「サテハ」「スレバ」の成立と発達
三・一 サテハ
三・二 スレバ
四 近世上方語における「サテハ」と「スレバ」
五 おわりに
第十三章 院政・鎌倉時代における接続詞「タダシ」
一 はじめに
二 「タダシ」の意味・用法
三 中古における「タダシ」の概要
四 『今昔物語集』の場合
五 院政・鎌倉時代における「タダシ」
六 おわりに
第十四章 狂言台本等における接続詞「タダシ」
一 はじめに
二 室町時代における「タダシ」
三 狂言台本における「タダシ」
四 近世の諸文献における「タダシ」
五 おわりに
条件表現史関係 文献目録(一九九五年時点でのまとめ)
小林賢次自筆書き入れより(編者の解説を含む)
所収論文の掲載書籍・雑誌一覧(第一巻)
本書所収の論文解説と未来への展望…宮内佐夜香
編者のことば…小林 千草
賢草日本語研究会より御礼のことば