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源氏物語の心と言葉

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源氏物語の心と言葉

書名かな げんじものがたりのこころとことば
著者(編者)名 鈴木裕子 著
著者(編者)名かな すずきひろこ
ISBNコード 978-4-8386-0815-7
本体価格 9,600円
税込価格 10,560円
判型 A5判上製カバー装
頁数 608頁
刊行日 2025年1月19日

言葉を大切にすることが心を育む

『源氏物語』は、それ以前の様々な文章の表現を取り入れつつ、その創造的な文学表現によって、新しい作品世界を切り拓いた。独創的な発想と方法で描き出された作中人物たちの心と言葉からは、読み直す度に新鮮な魅力や新しい発見を見出せる。本書は、そのような『源氏物語』の物語文学としての諸相を読み解くために、これまでに行った考察の中から、特に物語の「表現」に着目しての小文を選んでまとめたものである。―「序にかえて」より

凡例

序にかえて─『源氏物語』の読み解きに向けて─
   一 『源氏物語』の言葉を読むということ
   二 若紫巻・「寄る波の」歌の解釈をめぐって
   おわりに

Ⅰ 歌の心と言葉

 第一章 光源氏と空蟬の和歌贈答場面から
      ─「寝る夜なければ」・
       「益田は、まことになむ」考─
   はじめに
   一 光源氏から空蟬へ・「寝る夜なければ」
   二 空蟬から光源氏へ・「益田は、まことになむ」
   三 源氏から空蟬へ
   おわりに
 第二章 六条の御息所の歌言葉
      ─「山の井の水もことわりに」考─
   はじめに
   一 歌の言葉「山の井の水」
   二 「山の井の水」に込められた思い
   おわりに
 第三章 「文付け枝」という情報
       ─「吹き乱れた刈萱」と
        「菊の気色ばめる枝」の場合─
   はじめに
   一 夕霧が用いた「吹き乱れた刈萱」
   二 歌語「刈萱」
   三 六条の御息所が用いた「菊の気色ばめる枝」
   四 文付け枝に託した心
   おわりに、文付け枝に託された情報
 第四章 夕顔巻の和歌・「心当てに」歌をめぐって
      ─〈不正解〉を導く方法─
   はじめに
   一 光源氏の立場から
   二 〈正解〉が〈不正解〉に転じるとき
   三 常夏の女・夕顔の〈真実〉を探る
   おわりに・解けてはならない〈謎〉ということ
 第五章 朝顔巻の光源氏と紫の上
      ─歌言葉としての「石間の水」、
       「鴛鴦」をめぐって─
   はじめに
   一 紫の上の和歌
   二 源氏の和歌の問題点
   三 鴛鴦の歌の系譜
   四 『源氏物語』の鴛鴦
   五 朝顔巻の鴛鴦
   おわりに

Ⅱ 物語の方法を探る

 第一章 朝顔の姫君の物語─長編化への方法を探って─
   はじめに
   一 葵巻の朝顔の姫君
    1 呼び起こされた式部卿の姫君
    2 朝顔の姫君の和歌
   二 朝顔巻から少女巻へ
    1 「つれづれ」の朝顔の姫君
    2 変化する光源氏の思い
   三 梅枝巻の朝顔の姫君
    1 散り過ぎたる梅の枝
    2 朝顔の姫君の和歌
    3 光源氏の和歌
   おわりに
 第二章 夕顔をめぐる物語の方法
      ─情報の伝達者・惟光、そして右近─
   はじめに
   一 惟光の働き
   二 右近の働き
   おわりに
 第三章 末摘花巻の言葉─「ねたし」と「いとほし」を
      中心に─
   はじめに
   一 「ねたし」と思う光源氏
   二 「いとほし」の諸相
   三 コミュニケーションの不可能性・不毛性ということ
   おわりに
 第四章 葵巻・六条の御息所の魂の言葉
      ─寂しさの表出として─
   はじめに
   一 生霊顕現の場の設定
   二 生霊の言葉
   三 生霊の歌の言葉
   四 『蜻蛉日記』の「下交ひの褄」
   五 寂しさの表出
   おわりに
 第五章 「死と救済」について考える
      ─葵の上の死をめぐって─
   はじめに
   一 葵の上の死
   二 「悲しきことに事を添へて」の解釈
   三 死者の救済/生者の救済
   おわりに
 第六章 父としての光源氏
      ─明石の姫君の教育をめぐって─
   はじめに
   一 蛍巻の物語論の場面から
   二 蛍巻の〈教育論〉再考
   三 姫君教育の「完成」、そしてその後
   おわりに、若菜下巻における源氏の明石の姫君評価
 第七章 紫の上の心と言葉─光源氏との対話場面から─
   はじめに
   一  若紫巻の紫の上の返歌・
      「いかなる草のゆかりなるらむ」をめぐって
   二  玉鬘巻の紫の上の言葉・常陸の宮の
      「紙屋紙の草子(和歌髄脳)」をめぐって
   三  蛍巻の紫の上の言葉・『うつほ物語』の
       あて宮批判をめぐって
   おわりに
 第八章 夕霧巻の「紫の上の述懐」再考
   はじめに
   一 「無言太子とか、小法師ばらのかなしきことにする
       昔の譬ひ」の解釈の再確認
   二 「述懐」の内容の再点検
   三 夕霧巻の「述懐」と蛍巻の〈教育論〉の類似、
      そして源氏と紫の上の齟齬の様相
   おわりに
 第九章 末摘花巻の仏教的要素
      ─維摩詰の沈黙との関わりを模索して─
   はじめに
   一 末摘花の「しじま」について
   二 「見るとしもなし」について
   三   「人分き」について
   おわりに

Ⅲ 宇治十帖を読み解く

  正編から続編へ

 第一章 〈家〉の経営と女性─「匂宮三帖」を読む─
   はじめに
   一 夕霧右大臣の不安
    1 ヒーローになれない夕霧
    2 権力維持・補強システムとしての姫君たち
    3 隠された夕霧の不安
   二 紅梅大納言の野望と限界
    1 紅梅大納言の野望
    2 顔を見せない宮の御方
    3 紅梅大納言の限界
   三 玉鬘の嘆き
   おわりに

  薫と大君の物語

 第二章 大君の〈結婚拒否〉への一試論
      ─拒否することの意味・不変なることへの意思─
   はじめに
   一 八の宮の遺戒と大君の意思
   二 薫と大君の齟齬の様相
   三 薫の企ての行方
   四 中の君と匂宮の結婚、その実情
   五 大君の心の深層
   六 大君の死に向く心
   おわりに
 第三章 大君の〈恋〉の物語─父を待ち続けた娘─
   はじめに
   一 鏡の中の大君
   二 初めての贈答歌
   三 大君の〈父恋〉
   四 懸橋を渡って来る男君
   おわりに
 第四章 夢に現れた八の宮をめぐって
       ─大君を追いつめたもの、
        そして阿闍梨の「欲望」─
   はじめに
   一 中の君の夢
   二 子を思う「霊」(守護霊/怨霊)
   三 阿闍梨の夢語り
   おわりに─法師の「悪霊」という視角─
 第五章 薫論のために
      ─独詠という快楽、あるいは
       「大君幻想」という呪縛─
   はじめに
   一 浮舟登場/薫が「見た」もの
   二 浮舟登場/薫が「見なかった」もの
   三 「顔鳥」の歌
   四 「形見」の袖の色
   五 「見し人は」の歌
   おわりに
  
  浮舟の物語

 第六章 浮舟の和歌・初期の贈答歌二首を読み解く 
   はじめに
   一 「ひたぶるに」歌を読み解く
   二 「つれづれ」の浮舟
   三   「まだふりぬ」歌を読み解く
   おわりに
 第七章 浮舟の独詠歌─物語の終焉に向けて─
   はじめに
   一 浮舟の半生概観
   二 「袖振れし」歌を読み解く
   三 「尼衣」歌を読み解く
   おわりに
 第八章 『源氏物語』の僧侶像
      ─横川の僧都の手紙をめぐって─
   はじめに
   一 横川の僧都の「母思い」
   二 横川の僧都の「欲望」
   三 横川の僧都の迷い
   四 横川の僧都の手紙
   五 横川の僧都と浮舟の齟齬・二通の手紙の
      擦れ違いという仕組み
   おわりに
 終 章 『源氏物語』を読み継ぐために
      ─教室の内から、教室の外から─
   はじめに
   一 「美しい」人の描かれ方・「美しくない」
      人の描かれ方をめぐって
   二   「罪」が軽いということ
   おわりに

初出一覧
あとがき

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